[酒と女の物語 第1話] 新潟が!日本酒が好きでよかった!

「酒と女の物語」とは… わたしたちははなぜ日本酒が好きなのか。「にいがた美醸」のメンバーそれぞれが織り成すお酒との物語を連載いたします。

[酒と女の物語 第1話] 新潟が!日本酒が好きでよかった!

わたしと〈日本酒〉の出会いは、2005年の冬。大学1年、21歳のときでした。2006年 夏にはじまる第3回「大地の芸術祭」(十日町市、津南町、川西町の200近くの集落からなる)のサポーターとして空き家の雪かきをお手伝いする中で、集落の方ともだんだん親しくなり、「今度、おいしい酒のませてやる!」と呑ませていただいた八海山です。 サポーターとして活動する中で、集落ごとにふるまわれる日本酒が異なるのも愉しく興味深い体験でした。松乃井に天神囃子、寒中梅、五郎八、鮎正宗、越の白鳥、千代の光などなど。

大学卒業後、新潟市内で働くこととなり、意気揚々と「新潟の日本酒」を武器にしようとしましたが、「日本酒すきなんて渋いねー」と冷めた反応にショックでした。 が、しかし!「日本酒すき」をふれまわっていたところ、「にいがた美醸」に辿りつくことができました!どれもこれも愉しいのですが、本町商店街の「丼やいし井」さんのお店の前での酒盛りがやっぱり一番たのしいです!! ずっとずっと新潟にいたかったのですが、このままだと失職し、路頭に迷いそうなところでした。そして、なんとか1年半前に転職することができました。この転職で「日本酒」が一役かってくれました。採用面接では「日本酒」が効いたようです。趣味に「蔵見学」と書いたところ、かなり反応がよく「新潟の日本酒」について、どんな日本酒をどんな飲み方をするのが好きで、ホロ酔い(深酔い?)で吹雪の中の萬代橋を渡るのが本当に大好きでとしゃべり続けました。内定後の「新潟市内でしかあまり手に入らないお酒、着払いでいいから送ってくれない?」の電話に確信し、「わたし、日本酒すきでよかったー!!!」と心底思いました。そのお酒は、みなさんご存知の「鶴の友」です。 しょっぱいお店やバーも新潟の古町界隈で憶えました。そんなこんなで、わたしの20代は過ぎてゆきました。

今は東京の国分寺市在住(引っ越してから分かったことなんですが、というか「まっちゃん」で飲んでたら、声をかけられた国分寺市在住のご夫婦から教えていただきました!国分寺市は佐渡市と姉妹都市なんですよー!)、国立駅が最寄りです。国立といえば!の作家の山口瞳や漫画家の滝田ゆうが通ったバー「レッド・トップ」やしょっぱいお店「うなちゃん」「まっちゃん」へも一人で行けてしまう、まもなく31歳になります。「新潟の日本酒」を胸に抱き、30代も突っ走りたいです?!
(杉本藍さん寄稿)